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​【弁護士が徹底解説】

​不倫・浮気の慰謝料を減額・免除する方法

​突然、内容証明や電話で慰謝料請求された
​その時、あなたはどのように対処すべきか
​数百件の慰謝料トラブルを解決した弁護士が経験に基づき徹底解説します
​第7回
 

​1 誠意ある対応・謝罪

謝罪は内心の問題ですので謝罪を強制されることはありません。たとえ、裁判になっても謝罪を強制する手段はありません。

ただ、一定の責任が認められる場合、裁判例では謝罪したことによって慰謝料が減額される可能性があります。

経験上、慰謝料の請求側の事件を担当していると、請求の相手方が謝罪しないことに憤慨する方は非常に多いです。この場合、交渉がスムーズに進まなくなる可能性があります。

 

もっとも、請求された側にも言い分がありますので、全ての責任を認める必要はありません。

 

また、直接面会による謝罪はトラブルの元になりますので、避けた方が無難です。書面によって謝罪をする方法もあります。

 

もし、相手方から謝罪を求められた場合は、対応を検討する必要があります。

​2 交渉カード

​(1)不倫相手の夫婦の婚姻関係が継続

経験上200万~300万円程度の金額を請求されているケースが多いと思います。

もっとも、不倫相手の夫婦が離婚に至らない場合、このような高額の慰謝料が認められる可能性はほとんどないでしょう

 

したがって、不倫相手の夫婦が離婚するかどうかは非常に重要な要素となります。

 

不倫によって、離婚を検討する方は非常に多いですが、実際に離婚に至る方は経験上多くありません。

 

もっとも、請求の際「今後、離婚を検討している」等、婚姻関係が破綻している状況を推測させる主張がされることが多いと思います。

 

一概にはいえませんが、現時点で離婚しておらず、今後、離婚しない可能性が十分に考えられる状況においては離婚を前提とする高額の慰謝料の支払いに応じることは避けるべきです。

​(2)求償権
他人の債務を代わりに支払った人は、その支払った分を、その他人に請求できる権利を言います。
 求償権とは?​ 

求償権を不倫の場面で説明すると以下のようになります。

 

①まず、不倫は、「あなたと不倫相手の2人で行うもの」です。

 

②したがって、「あなたと不倫相手は2人で共同して、相手方に対し責任を負う」ことになります。これを共同不法行為といいます(民法719条)。

 

③もっとも、共同不法行為では相手方は不倫をした自分の夫(妻)には請求せず、あなたにだけ全額を請求することが法律上認められています。

 

不倫相手の夫婦が離婚しない場合、不倫をした自分の夫(妻)から慰謝料をもらっても、結局家計が1つなら、夫婦間でお金が移動するだけで慰謝料が無意味であることが多いからです。そこで、不倫をした自分の夫(妻)には慰謝料を請求せず、その不倫相手(あなた)にだけ請求するケースが非常に多いです。

 

もっとも、②で説明したように、本来は、あなたと不倫相手は共同して責任を負います。

 

したがって、あなたが慰謝料を支払ったにもかかわらず、あなたと共同して責任を負っているはずの不倫相手が責任を免れるとすると非常に不公平です。

 

そこで、求償権が問題になります。

 

すなわち、あなたが慰謝料を支払った後、支払った慰謝料を不倫相手に請求(この請求権が求償権です。)することができます。

この点、一般的には、不倫相手へ全額の請求は認められないでしょう。なぜなら、一般的な不倫の場合、どちらか一方だけが100パーセント悪いとは言えないからです。(2人の責任の割合を負担割合といいます。)

 

ただ、相手方の直接の配偶者である不倫相手の方が、あなたよりも「不倫をしてはいけない義務」が大きいと考えられます。したがって、一般的には不倫相手の方が負担割合が大きくなる傾向にあり半額以上の求償が認められる可能性が高いでしょう。

 

これを、不倫相手の妻(夫)の立場から見ると、あなたから慰謝料を支払ってもらっても、あなたが不倫相手に求償権を行使すると、結局、夫婦の家計からお金が出ていくことになります。

 

したがって、不倫した自分の夫(妻)への求償権の行使を避けたいと考える相手方が非常に多いです。

 

そこで、相手方との交渉の際は、「不倫相手に対する求償権をどうするか」という点についても交渉を行います。

 

つまり、あなたから不倫相手に対する求償権を事前に放棄する代わりに、はじめから慰謝料を減額して欲しいと求めます。このような交渉をすることで慰謝料を大幅に減額できる可能性があります。

 

相手方にとっては、あなたから自分の夫(妻)に求償されないというメリットがありますし、あなたは慰謝料を減額できるというメリットがあります。

​(3)弁済の抗弁(不倫相手が既に慰謝料・財産分与等を支払っている)

「(2)求償権」の項目で説明したとおり、あなたと不倫相手は「共同不法行為」を行った関係にありますので、「2人で共同して責任を負う」ことになります。

そこで、もしもあなたの不倫相手が既に慰謝料を支払っている場合(不倫相手が離婚している場合は離婚時に慰謝料の支払いを約束しているケースが非常に多い。)、「共同して責任を負う不倫相手が私の分の慰謝料も既に支払い済みである」と主張することができます。

また、不倫相手が支払った名目が慰謝料でなかったとしても、事実上慰謝料と評価できる場合も同様の主張が可能です。

その典型例が財産分与です。財産分与は簡単に言うと、離婚時の夫婦の財産を夫婦間で分与するものですが、通常は離婚時の財産を折半します。

しかしながら、離婚時に慰謝料の代わりに、相手方の財産分与の割合を増やすことがあります(これを慰謝料的財産分与といいます)。

この場合、名目は財産分与ですが、実質は慰謝料と評価される可能性があります。

 

もっとも、この場合、あなたにも不倫の責任があるのであれば、不倫相手から求償される可能性がある点には注意が必要ですが、不倫相手がこちらに協力的な場合、あなたが支払うべき慰謝料を免除又は大幅に減額できる可能性があります。

​(4)あなたの夫(妻)から不倫相手に対する請求

言うまでもなく、あなたの夫(妻)もあなたの不倫相手に対して慰謝料を請求できる関係にあります。したがって、あなたの夫(妻)があなたの不倫相手に慰謝料を請求した場合、互いの夫婦が離婚しないのであれば、夫婦を1つの家計としてみると慰謝料が夫婦間で移動しているだけになります。

したがって、あなたの夫(妻)もあなたの不倫相手への請求の意思を持っており、相手方も不倫した自分の妻(夫)への請求を防ぎたいのでれば、夫婦4者間で「互いに請求しない」という示談することがあります。

​ただ、この場合、あなたの夫(妻)があなたの不倫の事実を知っていることが前提となりますので、夫や妻に知られて困るという場合には交渉カードにすることは難しいでしょう。

​(5)相手方夫婦の婚姻関係の破綻

不倫開始時点で不倫相手の夫婦の婚姻関係が破綻に至っていた場合、あなたは責任を負わない可能性があります。

 

なぜなら、不倫の慰謝料が認められる理由は、「相手方の夫婦関係を保護」するためですが、不倫開始以前に既に夫婦関係が壊れているのであれば、夫婦関係が壊れた原因はあなたの不倫ではなく、不倫から夫婦関係を保護する必要はないからです。

 

「既に壊れているものは、壊せない」ということです。

 

例えば、不倫相手の夫婦が、不倫の時点で「既に別居していた」「離婚することを決めていた」等の事情がある場合、夫婦関係が壊れた原因は不倫ではないのですので、責任を負わない可能性があります。

​(6)あなたに対する暴行・脅迫・名誉毀損等の不法行為

まれに、相手方が、慰謝料請求の際、暴行・脅迫を加えたり、勤務先・近隣住民に不倫の事実を暴露するようなケースがあります。

このような相手方が不法な行為を行った場合、あなたは相手方に対して慰謝料の支払いを求めることができます。

あなたの慰謝料請求と相手方の請求は別の事件となりますが、当事者は同じですので、例えば、「互いに請求権を行使しない」等の内容の示談をするケースがあります。

もっとも、このようなケースでは相手方が非常に感情的になっていることが通常ですので、あなた自身での交渉は困難かもしれません(詳しくは第3回「「弁護士に依頼せず、一人で対処できるか」)。

相手方の行為がエスカレートする前にレイオス法律事務所にご相談下さい。

​(7)不倫と相手方の精神的損害が無関係(例えば、離婚後の不倫の発覚)

典型例は、離婚後に不倫が発覚したようなケースです。離婚後に不倫が発覚したということは、「不倫の事実を知らずに離婚している」のですから、通常は離婚の原因は不倫ではありません。

確かに、離婚後に不倫の事実を知ったとはいえ、相手方がショックを受けるであろうことは想像できますが、法律的には、不倫の事実を知った時点では、既に夫婦ではありませんので、夫婦関係を保護する必要はないと考えられます。

したがって、あなたは責任を負わない可能性があります。

​(8)消滅時効によって相手方の請求権が既に消滅している​

慰謝料請求権は、相手方が「損害を知った時」から3年間経過する前に請求しなければ時効により請求権は消滅します(民法724条)。

したがって、時効消滅している場合、あなたは責任を負わない可能性があります。

もっとも、時効期間の経過によって自然に請求権が消滅するのではなく、消滅させるためには「時効の援用」(消滅時効制度を利用することを相手方に伝えること)を行う必要があります。

時効により請求権が消滅しているかは状況によって判断が難しいところですので、まずはご相談下さい。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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